「この案件、結局いくら儲かった?」
これに即答できる町工場、たぶん少ない。今回、kintone(キントーン)で案件ごとの粗利が自動で見える管理アプリを作りました。現場が日報を入れるだけで、事務所側には案件別の儲けがリアルタイムで出るやつです。
作った中身と、途中で「これはええな」と自分でも思った画面を紹介します。
機械は動いとるのに、金が残らん
Xで中小製造業の発信を見とると、だいたい行き着くのはこの話。機械はずっと動いとるのに、決算を見たら思ったより残ってない。
原因を分解すると、だいたいこの3つに行き着きます。
- 案件ごとの粗利が見えてない。会社全体の売上は分かる。でも「あの治具の仕事、儲かったんか?」には答えられへん
- 原価の集計が月末のExcel頼み。材料費・外注費・手間をかき集めて数時間。気づくのは納品のずっと後
- 過去案件が探せない。「前に似た仕事やったの、いつやっけ」で台帳や古いファイルをめくる
紙の台帳からkintoneに移した会社の発信を見かけました。一番効いたのは検索だった、と。要するに、データが1か所に集まってないことが全部の元凶。
kintoneで作ったのはアプリ2本だけ


kintoneはサイボウズのクラウドサービスで、プログラミングなしで業務アプリを組み立てられるやつ。今回作ったのは2本だけです。
1本目は「日報・原価入力」。現場が入力するのは日付・案件・種別(材料費/外注費/労務)・金額の4項目だけ。案件はリストから選ぶだけにしたので、入力は1件30秒もかからん。
2本目は「案件管理」。案件名・受注額・納期を持っといて、開くと日報側の原価が自動で集計されて、原価合計・粗利・粗利率がカードで出ます。この計算部分だけ、AIと会話しながらJavaScriptを書いて仕込みました。月別受注額とかステータス別のグラフはkintoneの標準機能そのまま。作り込んでません。
骨格は半日かからず組めました。途中、フィールドの内部名に「ステータス」と付けたらkintoneの予約語に引っかかって保存できず、一瞬詰まったくらい。こういう細かい罠は触らんと分からんもんです。動作確認用に、架空の町工場の案件12件・原価40件をサンプルデータとして入れてます。
赤字案件が、開いた瞬間に見えた

サンプルデータには、わざと赤字の案件を1件仕込みました。途中で寸法変更が入って、追加工の外注費が膨らんだ……という町工場あるあるの設定です。
案件を開いて3秒。赤いカードが先に目に入ります。「粗利 −36,000円/粗利率 −8.0%」。すぐ下の明細に「追加工(寸法変更対応)220,000円」が並んどるので、赤字の原因まで1画面で追えます。
受注は45万円、原価は48万6,000円。追加工の22万円がなければ、粗利+18万円ちょいで着地するはずやった案件です。追加工1本で黒字が赤字にひっくり返っとる。
これ、月末のExcel集計やと気づくのは早くて翌月頭。その頃には次の見積もりも同じ値付けで出してるかもしれん。案件を開いた瞬間に赤いカードが出るのとでは、打てる手の速さが全然違う。
過去案件を探したい時は、顧客名や期間で絞るだけ。冒頭に挙げた「あの仕事いつやったっけ」も、これで台帳をめくらんで済みます。受注額と日報。元のデータはそれだけで、集計を人間がやるか、システムが勝手にやるかの違いだけです。
自社用に作りたい方へ
今回のアプリはkintoneの開発者向け環境で作ったので、規約上そのまま触ってもらう形では公開できません。なのでこうしてスクショで中身を見せてます。
それと、「業務改善なんでもやります」とは言わんことにしてます。まずは「案件ごとの粗利が見える」この1本から。小さく作って早く渡したほうが、現場が動きやすいからです。
Excel管理がそろそろ限界かも、という方は、ココナラでExcel・スプレッドシートの自動化の窓口をやってます。kintoneへの引っ越し相談もここからで大丈夫です。
あわせて読みたい:副業3週目、業務改善Webアプリ サンプル1本目を1日で公開/AIで作った副業ツール6選
次は撮影した画面を2分の動画にまとめるのと、このkintone構築を正式なメニューにする準備。それができたらまた書きます。